いいクセ毛

子供の頃から、自分の髪の毛が嫌いだった。http://www.yannlestrat.com/

ひじきが嫌いなのに、真っ黒でコシがなく、クセのある猫毛。

小学生の頃は、シャンプーのCMに出てくるようなサラサラのストレートに憧れ、同じものを使えばこんな髪になれるのではと夢を抱いたこともあるが、そんなことは叶わないという現実にブチ当たる。

さらさらストレートの友人からは、クセ毛が羨ましいと言われたが、ないものねだりで、私はストレートが羨ましくて仕方なかった。

そんな私が、この髪もいいと思えるようになったのは、20歳を過ぎてから。

真っ黒な髪は、自分の働いたお金で、いくらでも好きな色にできるようになった。

そして、カットモデルを始め、全国の美容室をまわり、流行りの髪型のカット方法をレクチャーしてまわる、講師の先生に出逢って、私の運命は変わった。

料理研究家のマロンさんに似ているその先生は、スタイリング中、私の髪を触りながら、

あなたの髪はとってもいい髪よ、とってもいいクセ

と言ったのだ。

まるで、私がこの髪を嫌いなことを見抜いていたかのような言葉だった。

しかし、その一言、たった一言で、そんなに偉い人に褒められるなんて、私の髪はすごくいい髪の毛なんじゃないかと思い始め、それからはこの髪が好きになっていった。

結局、ものは言いよう、取りようで、その道のプロや大好きな人に褒められれば、コンプレックスなんて簡単に取り除けてしまうのだと思う。